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日本語歌詞
作詞/祈山 憂介
それは狂気に取り付かれた男の執念から始まった
男は凶暴な精神と冷静な技巧を併せ持ち
失った人との再会を実現することを決意する
それは神の理を超越するかのような行為
孤独の苦しみを糧に新たな創造主への変貌を試みた
朽ちていく体
倒れ込むことも出来ずただ椅子に置かれ続けている
最後の日から永遠とも思える時間が過ぎた
静かに佇むその姿はゆっくりとその形状を失い始め
一欠片ずつ崩落していくのを待つだけ
なぜ突然消えていってしまったの
私はもう動くことも出来ない
あなたは嬉しそうに私を造っていた
その眼は私ではない人を見ていたけれど…
ずっと待ち続けていた
届かない想い
朽ち果てることに怯え、焦る気持ちがこみ上げる
代わりでも構わない
人間のように生きてみたかった
試みは完遂しなかった
男は遂に正気を失った
「動く」ことと「生きる」ことは違う
「判断」することと「思う」ことは違う
挫折に理性を奪われ全てを無に還そうと思った
部屋中のあらゆるものを破壊した
だが、その創造物にだけは手を下せなかった
埋め込まれたガラスの眼は悲劇の部屋を映し出す
色褪せた顔は微笑をたたえ続ける
床に散らばったいくつもの歯車
時折、嗚咽のような音を発する
まるで自分は生きているのだと訴えかけているよう
あなたは帰ってこない
私は捨てられたのだ
最後に語られた言葉が記憶域の中で響く
どんなに歪つな存在であろうと創造されたことに感謝する
私の世界にはあなただけしか存在しなかった
信じる心を捨てられない
どんな姿でもいい
あなたのそばにいたかった
骸骨に着せられた花嫁衣装
ガラスで覆われたオフィリアの心臓
容器に注がれている青い液体
全ては氷の檻に閉じ込められた過去